臨時費用保険金とは?知って得する火災保険金の種類

臨時費用保険金について解説します。

臨時費用保険金は加入時に募集人が説明してくれなければ、おそらく契約者は保険金が支払われるまで、 その存在を知らないかもしれない保険金の一種です。 損害保険金に一定割合が上乗せされて支払われる仕組みになっています。 代表的な損保会社・農協共済の表現の違いや、割合の違いを説明してゆきたいとおもいます。

費用保険金とは?

火災保険の保険金は、損害保険金がメインですが、その損害額に10%から30%くらい上乗せされて支払われる 保険金があります。それが費用保険金と言われるものです。 多くの場合、「地震火災費用保険金」、「残存物取片づけ費用保険金」、「水道管修理費用保険金」、「臨時費用保険金」 の4つの費用保険金があります。

各損害保険会社によって、若干内容が違いますので、代表的な3つの会社の内容を取り上げます。

 

【損保ジャパン日本興亜の場合】

地震火災費用保険金

地震・噴火またはこれらによる津波(以下「地震等」といいます。)を原因とする火災で 建物が半焼以上、または保険の対象である家財が全焼した場合は、保険金額の5%をお支払いします。 ※地震等により保険の対象が滅失(建物が倒壊した場合等)した後に火災による損害が生じた場合を除きます。 お支払いする費用保険金の額:保険金額×5%

残存物取片づけ費用保険金

火災保険の損害保険金が支払われる場合*に損害を受けた保険の対象の残存物の取片づけに 必要な費用で、実際にかかった費用をお支払いします。 お支払いする費用保険金の額:実費(損害保険金×10%限度です)

 

水道管修理費用保険金

専用水道管が凍結によって損壊を受け、これを修理する場合の費用をお支払いします。 (ただし、パッキングのみに生じた損壊やマンションなどの共用部分の専用水道管にかかわる 修理費用は含みません。) 『THE すまいの保険』のご契約で、保険の対象に建物が含まれる場合のみ補償します。 お支払いする費用保険金の額:実費(1回の事故につき、1敷地内ごとに10万円を限度とします。)

臨時費用保険金

火災保険の損害保険金が支払われる場合に損害保険金にプラスしてお支払いします。

保険のご契約をされている建物や家財が損害を受け、損害保険金が支払われる場合に、 損害保険金とは別にお支払いする費用保険金を「臨時費用保険金」といいます。 臨時費用保険金は、損害保険金との合計額が保険金額を超過する場合でもお支払いします。

 

[補償の有無、支払割合および限度額が選べます]

損害保険金×30% 限度額300万円損害保険金×30% 限度額100万円損害保険金×20% 限度額100万円損害保険金×10% 限度額100万円臨時費用保険金なし
  • ※臨時費用保険金限定特約をセットされた場合は、火災、落雷、破裂・爆発で損害保険金が支払われる場合のみとなります。
  • ※「損害保険金」補償内容については、以下のページをご参照ください。

※損保ジャパン日本興亜ホームページより抜粋 http://www.sjnk.co.jp/kinsurance/habitation/sumai/sche/insu/

 

【東京海上日動の場合】

事故が起きた際、損害保険金以外にも、様々な費用をお支払いします。

  • ※特約をご契約いただくことで、一部の費用保険金を補償の対象外とすることができます。
  • ※水災縮小支払特約(一部定率払)をご契約いただく場合は、水災による損害に対しては一部の費用保険金が 支払対象外となります。
  • ※A、B、D、Eの費用の合計額は損害保険金の額を上限とし、損害保険金に加え費用保険金としてお支払いします (損害保険金をお支払いする場合に限りお支払いします。)。
A. 残存物取片づけ費用保険金 B. 損害拡大防止費用保険金 C. 失火見舞費用保険金
損害が生じた保険の対象の 残存物の取片づけに必要な費用

燃えかすや燃えた建物の残がいを片づけた!

火災、落雷、破裂・爆発の事故が生じた場合に、 損害の発生および拡大の防止のために支出した 必要または有益な費用(消火薬剤のつめかえ費用等)

 

消防車が来る前に消火器を使って消火活動をした!

保険の対象から発生した火災、破裂・爆発の事故 によって、近隣等第三者の所有物に損害が生じた ときの第三者への見舞費用。

 

1事故1被災世帯あたり50万円。 ただし、支払限度額(保険金額)の20%を限度とします。

両隣のお家にも被害が…お詫びをしたい!

A~Cの費用保険金以外にも以下の費用をお支払いします。

D.修理付帯費用保険金
  • 損害が生じた保険の対象を復旧するために 必要なその損害の原因の調査費用(損害原因調査費用)
  • 損害の範囲を確定するために 必要な調査費用(損害範囲確定費用)
  • 損害が生じた保険の対象を再稼動するため の点検や調整に必要な費用(試運転費用)
  • 損害が生じた保険の対象の仮修理の費用(仮修理費用)
  • 損害が生じた保険の対象の代替として使用する 仮設物の設置費用および撤去費用 ならびにこれに付随する土地の賃借費用(仮設物設置費用)
  • 損害が生じた保険の対象を迅速に復旧するための 工事に伴う残業勤務、深夜勤務または 休日勤務に対する割増賃金の費用 (残業勤務・深夜勤務等の費用)
E.請求権の保全・行使手続費用保険金 他人に損害賠償の請求ができる場合、 その請求権の保全または行使に 必要な手続きをするための費用
F.水道管凍結修理費用保険金 建物の専用水道管が凍結によって損壊を受け、 修理したときの修理費用。

 

1事故あたり10万円を限度とします。

G.地震火災費用保険金 地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災で、 保険の対象(建物・家財)が以下の損害を受けた場合に、 支払限度額(保険金額)の5%をお支払いします。 ただし、1事故1敷地内あたり300万円を限度とします。

 

建物:半焼以上(20%以上の損害) 家財:家財を収容する建物が半焼以上(20%以上の損害) または家財が全焼(80%以上の損害)

東京海上日動ホームページより抜粋 http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/live/total_assist/shohin/hosho.html

 

両社の違いは?

損保ジャパンと東京海上の大きな違いは、損保ジャパンは臨時費用保険金が、実費ではなく一定の割合ででること。 東京海上の場合は費用保険金を丁寧に細分化しているが、実費として支払われるということ。 請求の観点から言えば、損保ジャパンはわざわざ請求しなくても、損害額の一定の割合が上載せされるが、 東京海上は、実費を請求する必要が出てくる。

 

火災保険に加入するときには費用保険金を比較しよう

もし火災保険に加入されるのなら、損害額に上載せされる、費用保険金について、しっかり調べたうえで、 加入されるのがベストだと思います。 限度額が決まっているが、なんと臨時費用保険金なら、一律の30%限度額250万円の費用保険金となっています。 30%も一律に上載されるなんて、火災保険ってすごいですね。

保険会社によっては、このような費用保険金がない補償もありますのでしっかりと調べましょう。

またこの費用保険金は保険金を使って修理をする業者にも注意が必要になります。

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