火災保険に加入する際に保険金額を決める必要があります。
保険金額は、火災保険により支払われる損害保険金の限度額のことをさしますが、保険金額の設定により受け取れる保険料に違いが出ることを知っていますか?
今回は火災保険の限度額について解説するとともに、しっかりと補償を受けることができる保険金額の設定方法についてもご紹介していきます。
目次
【火災保険の限度額の決め方とは?】
火災保険といっても、限度額の決め方には新価で評価をする場合と時価で評価をする場合の2つにわけることができます。
また家財道具の場合は家族構成などによって基準が変わってきます。
無駄なく保険料を受け取るためにも評価方法を把握しておくことが大切です。
①新価で評価
新価とは同等のものを建築もしくは購入をする場合に必要となる費用のことをいいます。新品に建て直すために必要な費用が保険金額となるため、再取得額や再調達額などとも呼ばれることがあります。
新価で火災保険をかける場合には、新たに建築もしくは購入をするために必要な金額が保障されているため安心です。
物価の上昇にも対応しているため、築年数が経過している家で購入時よりも高い金額が保険金額として保障されることもあります。
デメリットとしては、月々の保険料は時価での評価に比べて高くなる点があるため注意しましょう。
また、被災時に物件を再評価するような契約の火災保険もあり、再評価により契約時よりも安い保険金額になってしまうこともあります。
支払った保険料が無駄になってしまわないように保険の契約内容をしっかりと確認しておくようにしましょう。
②時価で評価
時価とは、同等のものを建築もしくは購入をするために必要な金額から、現在の建物や家財の価値を評価した金額を引いた金額が保険金となります。
つまり、新価の評価額から経年劣化による価値の減少や使用による消耗分がひかれた費用が保険金額となるのです。
時価で評価をした場合は、月々の支払金額は新価で評価をした場合に比べて安く済ませられるメリットがあります。
しかし、新価から経年劣化や消耗分を引いた金額のみの支払いとなるため、新たに建築もしくは購入をする場合には、
保険で費用をまかないきれない可能性があるため注意が必要です。
③家財道具の場合
火災保険において忘れてはならないことが、家財道具への保険です。
室内にはソファーやテレビ、ベッド、パソコンなど様々な家具や家電がありますが、すべてを再調達するためには多くの費用が必要になります。
いざというときに自分のお金を用意することがないように家財道具も火災保険に加入するようにしましょう。
火災保険のおける家財道具の評価は新価が基準となり、必要な資金が保障されているため、いざというときにも安心です。
所有している家具や家電の相場や家族構成によっても必要な金額が変わってくるため、よく検討して金額を決めるようにしましょう。
【火災保険で無駄のない保険金額の設定とは?】
実際に火災保険に加入をする場合、より無駄のない保険金額の設定方法にはどのようにすれば良いでしょうか。
◆十分な補償を受けることができる保険金額とは?
十分な補償を受けるための保険金額設定をするためには、保険金額=新価に設定することです。時価を基準に保険金額を設定すると、経年劣化や使用消耗によって価値が下がった建物や家財の分の損害額のみが支払われるため、新たに建築もしくは購入をするために必要な修理費用や建築費用が全額補償されないことがあります。
そのため、補償される金額内で建て直しもしくは購入できる規模に縮小をするか自己資金で足りない費用を補う必要が出てくるのです。
月々の保険料は高くなるものの、いざというときに十分な保障を受けるためには新価を基準に保険金を設定することをおすすめします。
◆家財道具の場合は?
家財道具の場合は、実際の評価額を正しく見積もり、保険金額を決めることが大切です。高い家財を持っていない場合でも、生活の立て直しをするための家電や家具をそろえるための費用は高くなってしまう場合もあります。
あまり低い金額を設定していると、保険でまかないきれないこともあるため、生活に必要な家財道具の評価額をしっかりと検討することをおすすめします。
逆にとりあえず高い金額に入っておこうという場合にも注意が必要です。
保険金を請求する際に、再調達に必要な価格以上を受け取ることはできないため、本来の評価額より高く設定をしても無駄になってしまうので注意をしましょう。
【火災保険の限度額を決めるときの注意するポイントは!?】
火災保険の限度額を決める際にはどのような点に注意をしたら良いのでしょうか?
◆2つの火災保険に加入している
より多くの補償を受けようと、2つの火災保険に重複して加入をした場合でも、受け取れる保険金額は再調達に必要な金額しか
受け取ることができません。
生命保険の場合は、複数の生命保険に加入していても、それぞれの保険会社から保険金を受け取ることが可能ですが、火災保険のような損害保険では、災害や事故によって受けた損失を穴埋めすることが目的となっているため、被害額以上の金額を受け取ることができないようになっているのです。
十分な補償は必要ですが、評価額を超過するような過剰な補償は受けることができないため注意をしましょう。
◆全額支払われるのは全損の場合のみ
保険会社では、損害の程度を区分し、それに応じた保険金の支払いを行います。保険金額が全額支払われるのは全損の場合に限り、半壊や一部損壊の場合は、区分に応じた保険金が支払われる仕組みになっています。
もしも全損の扱いとなり、保険金額を全額受け取った場合は火災保険の契約は終了となるため、その後は新たに保険に入り直すことが必要です。
◆免責に注意!
免責期間に損害が出た場合は、十分な補償を受けることができません。
また免責金額が設定されている場合には、実際の損害額から免責金額を差し引いた保険金となるため、自己負担が必要になります。
免責をうまく利用して毎月の保険料を安くする方法もありますが、しっかりと契約内容を確認しておくことが必要です。
【まとめ】
大切な家にもしものことが起きたときに、何よりも力になるのが火災保険です。しっかり仕組みを理解することで無駄に保険料を支払うことを避けることができるとともに、十分な補償を受けることも可能です。
いざというときのために、家だけでなく家財道具についても、保険金額を十分に検討するようにしましょう。