知って安心!地震保険の適用事例!保険の適用基準と事例について

日本は地震が多い国であるというのは有名な話です。
では実際に地震が起きるとどの程度の被害が生じるのでしょうか。
これは気象庁で発表されている2018年に起きた大型地震の人的損害、物的損害をまとめたデータです。

年月日

地震名

震度

人的被害

物的被害

平成30年4月9日

島根県西部

5強

負 9

住家全壊 18棟

住家半壊 57棟

住家一部破損 558棟など

平成30年6月18日

大阪府北部

6弱

死 6

負 443

住家全壊 18棟

住家半壊 517棟

住家一部破損 57,787棟など

平成30年9月6日

胆振地方中東部

7

死 41

負 749

住家全壊 415棟

住家半壊 1,346棟

住家一部破損 8,607棟など

震度5以上の地震では住宅等の建物でこれだけの数の半壊、全壊、一部破損の被害が生じます。
また、地震のタイミングを正確に予測することは難しく、いつどこで大型の地震が起きてもおかしくないのが、
日本の実情です。
このような国に暮らしている以上は、地震保険について概要や適用例までしっかりと把握しておき、
いざという時の知識を備えておくべきと言えます。

 

【地震保険の概要と適用範囲】

―地震保険の補償範囲とは?

地震保険は地震や火山の噴火、またはこれが原因と生じた津波に起因する火災、損壊、埋没、流出による
建物や家財を補償する保険です。
通常、地震保険は単独で加入することができず、火災保険とセットで加入をする必要があります。

◆被った損害の割合に応じた区分で保険金が決まる

地震保険はその被害の割合に応じて、保険金の金額が決まっています。
具体的には、
「全損(保険金額の100%)」「大半損(保険金額の60%)」「小半損(保険金額の30%)」「一部損(保険金額の5%)」
と決まっています。
例えば地震保険の契約金額が3,000万円だとすると
全損時には3,000万円、大半損で1,800万円、小半損で900万円、一部損で150万円といずれかの保険金額が支払われます。
被害の程度がどの区分に該当するかは、主要構造部分がどれだけ損害を被ったかで判断されます。

主要構造部とはどこを指すのか

主要構造部分とは、建築基準法に定められている「構造耐力上主要な部分」についてのことを指します。

   建築基準法施行令 第1条第3号(構造耐力上主要な部分)
   基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材、その他これらに類するものをいう)、
床版、屋根版又は横架材(はり、けた、その他これらに類するものをいう)で、建築物の自重若しくは積載荷重、
積雪荷重、風圧、土圧、若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。

家財はどの程度までが対象となるのか?

建物の次は家財です。家財はどの程度補償されるのでしょうか。
家財は家財総額に対してどの程度の被害が生じたかで、受給可能な保険金額が変わります。
例えば地震によって火災が発生し、家ごと家財が全焼したとなれば、全損となるでしょう。
もし、地震で食器棚から食器が落ちて壊れたなどの軽微なケースであれば、保険金の支払いは受けられない
可能性が高いといえます。
これは家財の一部損では家財総額の10%を越えなければ保険金支払いの対象とならないためです。

【地震保険の具体的な適用事例と適用されない事例について】

―どんなケースが補償されるのか?

次は地震保険いおける具体的な適用事例を紹介します。
家財を補償するといっても対象になるもの、そうでないものがあるため注意が必要です。

◆地震によって食器や家具が損壊した

このケースは壊れた食器や家財の損害額が、家財総額全体の10%以上であれば受け取れます。
食器なども対象の範囲ではありますが、この範囲でなければ1円も受け取ることができません。

◆地震で高額な陶器が損壊した

中には著名な作家が作った高額な陶器などがある人もいるでしょう。
実は1個、一組30万円以上の骨董品、貴金属などは支払いの対象外です。

◆自宅や事務所が完全に倒壊した

これは地震保険の対象範囲内です。全損に該当し満額の支払いを受けることができます。

◆自宅の壁にヒビが入った

建物であれば、主要構造部分に一定の損害が生じている必要があります。
壁は主要構造部分に該当しますが、建築時価の3%以上の損害となっている必要があります。

地震が原因の津波により車が流された

車は家財に該当しません。
地震保険等では対象にならないため、車両保険の特約等で「地震特約」などをつける必要があります。
しかし、値段は高めとなっています。

液状化減少で家が傾いた

埋立地や湾岸部など地下水が浅いところにある地盤において、地震の揺れが原因で地盤が不安定になり、
建物が傾くことを液状化現象と言います。
地盤が液状化現象で傾きますから、その被害状況によって支払い保険額が決まります。

認定区分

被害の状況

支払保険金

傾斜

沈下

全損

1°を超える場合

30cmを超える場合

建物の地震保険金額の全額 (ただし、時価が限度)

半損

0.5°を超え、1°以下の場合

15cmを超え、30cm以下の場合

建物の地震保険金額の50% (ただし、時価の50%が限度)

一部損

0.2°を超え、0.5°以下の場合

10cmを超え、15cm以下の場合

建物の地震保険金額の5% (ただし、時価の5%が限度)

家財も地震保険で補償される

【地震による火災が生じた場合】

―地震が原因の火災で近隣を燃やしてしまった場合の賠償は

地震が原因で近隣の住宅が燃えてしまった場合は損害や責任は発生するのでしょうか。
もし、これで責任が生ずるとなれば、高額な賠償をする必要があるのでしょうか。

賠償の責任は、重大な過失がなければ免責となる

まず、地震が原因で失火し、近隣を燃やしてしまったとしても賠償の責任は重過失がなければ免責されます
ここでいう重過失とは、例えば慌てて逃げてしまい、鍋に火をかけたままにしてしまい、それが原因で失火した場合などが考えられます。

【まとめ】

地震保険は万能ではありませんが、いざという時に損害を補償してくれる強い味方です。
補償の範囲を具体的に知っておくことで、普段からこれらの災害に備えておくこともできます。
例えば地震保険では現金や有価証券は補償の対象外です。
このようなものは、金融機関に預けておくなどの対象を取るようにしましょう。

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