火災保険は、火災だけでなく落雷による損失も補償することができます。 今回は、火災保険で補償できる落雷について解説します。
目次
【火災保険で落雷は補償できる】
火災保険はその名称から、「火災のみを補償する保険」と誤解されることがあります。 しかし実際の補償内容は、保険会社の商品ごとにさまざまです。 そして落雷については、意外なことにほぼ全ての火災保険で補償される、いわばスタンダードな保険事由となります。 しかしながら、実生活において落雷に遭遇するケースはそう多くありません。 そのため、落雷による損失を火災保険で補償できることを知らないという方も多いのではないでしょうか。 落雷は全国各地で発生しています。 近年、各地で甚大な被害をもたらしているゲリラ豪雨に伴って発生するケースもあるので、決して他人事ではありません。
◆落雷の補償対象は「建物」と「家財」
落雷の補償対象となるものは、建物と家財です。 建物とは、家屋や屋根、シャッターなど、建物に付属する設備のことを指します。 家財とは、家の中にある家具や電化製品などのことです。 落雷を想像すると、建物の損失は想像しやすいと思いますが、意外にも家財が受ける被害も多くあります。 建物しか補償しない火災保険契約の場合は、家財は補償できないので注意しましょう。
【火災保険で補償される落雷の内容】
火災保険で補償される主な落雷の内容とは以下の通りです。
◆落雷による火災
雷はかなりの熱量を持っているため、落雷によって火災が生じることがあります。この場合の火災は、もちろん火災保険の対象となります。
◆落雷による建物の破損
落雷が屋根や門などを直撃すると、焼け焦げたり、欠けたり、穴があいて壊れたりすることがあります。 この破損にかかる修理費なども、火災保険で補償することができます。
◆落雷による電化製品のショート
意外にも落雷による火災保険として利用されやすいのが家財で、主に電化製品のショートになります。 自宅に落雷した場合でなくとも、たとえば電柱やアンテナなどに落雷すると、電線や配線などを通じて、 その線に接続させた電化製品の電圧が急変してショートし、故障してしまうことがあるのです。 複数の家電製品が故障したり、中にはショートした際の火花で火災が発生したりすることもあります。
【火災保険の落雷で壊れやすい家電】
◆パソコン
パソコンは、落雷によるショートで壊れることがあります。 ディスプレイが映らなくなるほか、インターネットに繋がらなくなるという不具合が生じることもあるので、 近辺に落雷情報がありこうした症状が発生した時には、保険会社に連絡しましょう。
◆テレビ
テレビについても、落雷によってショートして映らなくなることがあります。 高額なものも多いため、火災保険で補償することができると安心ですね。
◆インターホン
インターホンも電気配線によって作動していますので、落雷によってディスプレイが映らなくなったり、 音が鳴らなくなったりするなどの故障が起こることがあります。 来客がなければ気づかないケースもあるため、もし他の電化製品が故障している場合は、インターホンも確認しましょう。
◆給湯器
落雷で給湯器が壊れることもあります。 給湯器が壊れると、困るのはお風呂です。 落雷は夏場に発生することが多いため、日常生活に大きな支障をきたします。 こうした給湯器も火災保険であれば補償できるので、すぐに保険会社に連絡しましょう。
◆エアコン
エアコンもまた、落雷のショートで壊れることがあります。 給湯器と同様に、夏場に壊れると大変ですので、こちらもすぐに保険会社に連絡しましょう。
【落雷の保険金額】
落雷によって支払われる保険金額は、修理が可能なものは修理費、買い替えが必要なものは契約内容によって再調達価格(新品の購入費)か時価のいずれかを限度に決まります。 まずは保険会社に連絡し、専門業者によって故障の原因が落雷であることを確認してもらった上で、修理費又は時価などの見積書をもらって保険会社に提出するパターンが一般的です。
◆落雷には「修理付帯費用」が付帯される
また、火災保険から支払われる保険金は、落雷で直接的に生じた損失分だけでなく、それにプラスして「修理付帯費用」「臨時費用」や「残存物片付け費用」などが支払われることがあります。 臨時費用とは、事故によって別にかかってしまった費用(例:火災によって建物に住めなくなった場合のホテル宿泊費用や調査費など) のことで、残存物片付け費用とは、損害を受けた建物や家財の片付けや撤去にかかった費用のことです。
臨時費用や残存物片付け費用の金額は、基本的に実費を補てんしてもらえますが、上限として、修理代や購入費などの 損害保険金の1割から3割ほどを設定する保険会社が多いようです。
【まとめ】
発生要因がさまざまな火災に対して、落雷は自然災害ですから、季節や地域よっても発生状況が異なります。 いざという時に活用できるよう、火災保険は落雷も補償できるということをぜひ覚えておいてください。