玄関ドアは家における防犯上の要です。毎日開閉するので、年を重ねると摩耗し、劣化してゆきます。
経年劣化の他にも強風や地震などで開閉に支障をきたす場合もあります。新築時の輝きを失い、色あせが目立ち始めたなら、修理ではなく交換を検討した方が良いかもしれません。
玄関ドアを交換するリフォームの費用はどのくらいかかるのでしょうか?
まず費用の前に、代表的な玄関の工法を理解しましょう。
1.ドアを交換する3つの工法
1-1.ドアのみ交換する工法
既存枠を生かして、同じ寸法ドアのみを交換する工法です。メリットは工事費が安いこと。
デメリットは1mmもたがわない同じ寸法のドアが見つかるかどうかどうかが課題であること。
また枠は交換しないので、枠が劣化している場合は、枠を交換しないと防犯上もあまり意味がないということになります。
1-2.カバー工法
現在、玄関ドアをリフォームするのに、主流の工法がカバー工法になります。そのメリットとデメリットをまず解説していきます。
■カバー工法の特徴
◆メリット
作業に伴う騒音やホコリの発生が少なく、簡単な養生で施工できます。
ネジ止めによる施工ですので、溶接(火気)を使用しない為、安全施工です。
古いドアの枠だけは 残しますので、壁面や床を傷める心配が ありません。
◆デメリット
既存サッシの内側に取り付ける事により、開口寸法が高さ寸法、幅寸法とも3〜5cmほど短くなります。現在はこのカバー工法が主流になっています。カバー工法もドアの状況によって下記のような工法に分かれます。
この辺りは現況を確認し、施工業者と十分な協議をした方が良いです。カバー工法といえども、必ずしも開口部が狭くなるとは限らないのです。
1-3.はつり工法
カバー工法とは異なり、枠も含めて交換してしまうのが『はつり工法』といいます。
メリットは枠自体から取り換えてしまうので、カバー工法のようにドアの開口寸法が小さくなるということはありません。
デメリットは撤去処分費がカバー工法に比べて倍くらいになること、取り付け工賃も割高になります。
2.ドア交換の費用は?
2-1.金属製玄関ドア改修の場合
金属ドアを改修する場合は、ドア枠が金属でしっかりしている状態なら、カバー工法がおすすめです。それぞれの工法でどのくらいの費用がかかるか見てみましょう。
■既存ドアの撤去処分費
ドアのみ取り外し処分 1カ所 7,000円~9,000円(ドアののみ、カバー工法)
ドア· 枠とも取外し処分 1カ所 13,000円~15,000円(はつり工法)
■新ドア取り付け工事費
◆ドアのみ交換の場合
ドアのみ取替え取付け調整費 9,000円~10,000円
既存枠塗装 900円/m(水性塗装、塗料性能により1000円~2000円UP)
◆カバー工法の場合
カバー工法によるドアの取替えコーキング( 材工共) 含む 1か所 30,000円~35,000円
◆はつり工法の場合
はつり工法による解体後、 ドア枠取付け 1カ所 45,000円~50000円
枠回りウレタンコーキング材工共 900円~1200円/m
2−2.木製玄関ドアの場合
外部と接する木製ドアは、塗装面の傷みや内外の温度差から歪みや変形を生じることがあります。紫外線や風雨にさらられて、少しずつ木材が劣化してゆきます。玄関ドアがの劣化が外からわかる場合は家全体のイメージ低下につながるため、ドアの交換によってリニューアルします。
予算的に取り換えが不可能な場合は、塗装によって補修が可能な場合もありますので、劣化の状況を見て専門家に相談しながら、リフォームを検討するとよいと思います。
■既存ドアの撤去処分費
◆玄関片開き
ドアのみ取り外し処分 900㎜×2000㎜程度 4000円~5,000円(ドアのみ、カバー工法)
ドア· 枠とも取外し処分 900㎜×2000㎜程度 7,000円~8,000円(はつり工法)
◆玄関親子
ドアのみ取り外し処分 1200㎜×2000㎜程度 8500円~10,000円(ドアのみ、カバー工法)
ドア· 枠とも取外し処分 1200㎜×2000㎜程度 11,500円~13,000円(はつり工法)
■新ドア取り付け工事費
◆玄関片開き
ドアのみ取り付け 900㎜×2000㎜程度 8,500円~10,000円(ドアのみ)
ドア· 枠とも取り付け 900㎜×2000㎜程度 45,000円~60,000円(カバー工法はつり工法)
◆玄関親子
ドアのみ取り付け 1200㎜×2000㎜程度 11,000円~13,000円(ドアののみ、カバー工法)
ドア· 枠とも取り付け 1200㎜×2000㎜程度 51,000円~70,000円(カバー工法、はつり工法)
※価格は参考資料:経済調査会『積算資料リフォーム編』より
3.玄関ドアリフォーム費用の解説
リフォーム費用=処分費+工事費+材料費
玄関ドアの工事費は処分費と、新ドア取り付け費から構成されます。
手間賃ですので、大体このくらいの費用がかかると理解していただければと思います。
カバー工法で37000~70000円(注:金属のほうが安い)ほど、
はつり工法で60000円~70000円くらいが相場だと思ってください。
手間賃のコストの差によって多少価格の幅があります。上記の価格は木造住宅の場合の値段ですが、マンションなどのRC系住宅の場合は上記価格に3000円ほど上載せされます。
玄関ドアの材料費は別途かかる
それでは材料そのもの、金属ドアはいくらくらいするのでしょうか?
ドアメーカーの各ホームページで確認するとわかりますが、安いドアで250,000円~断熱性能をクリアしたドアなら500,000円ほどのものもあります。
寸法と、家に合うデザインと性能を見極めて決定するとよいでしょう。
ちなみに工務店によっては、定価よりも低く仕入れができるので、工事費込みでメーカーカタログと同じくらいの値段なら、工務店が価格面で相当努力をしていると判断していいでしょう。
玄関ドアそのものの価格のイメージは下記のメーカーのホームページに記載があります。
4.玄関ドアの代表的メーカー
三協アルミ http://alumi.st-grp.co.jp/products/reform/genkan/index.html
金属ドアの定番といったら三協アルミ。
LIXIL http://www.lixil.co.jp/lineup/entrance/door/
金属ドアよりも木製ドアのほうが多いリクシルですが、ラインナップは豊富です。さすが建材最大手。
YKKAP http://www.ykkap.co.jp/search/index.html?s=door_entrance
YKKAPさんも木製、金属ドアを両方取り扱っているメーカーです。
5.まとめ
玄関ドアにの交換費用について、解説してみました。
玄関ドアのリフォーム費用は大体300,000円~500,000円くらいの幅に収まりそうです。この値段より高いようですと、よっぽど性能の良いドアを使っているか、工事費が高いということになりますので、見積もりの明細書を確認しましょう。
6.最後におすすめ 保険を使う方法
玄関ドアのリフォームを検討されている方でしたら、できる限り質が良く、安い価格でリフォームができたらと思いませんか?
材料費や工事費を値切ると工事の質が悪くなるため、あまりおすすめしません。
その場合は火災保険を工事と同時に申請するとリフォーム費用の一部が火災保険金で賄えるかもしれません。実際にいくらくらい保険金が出るのか興味があるお客様、はこちらのサイトに登録していただくと実際の実例がわかります。
玄関ドアの火災保険適用事例