火災保険補償の免責。故意・重過失、劣化、腐食など状況を列挙してみました。

 火災保険における免責条項を列挙してみました。
細かい点では、各損害保険会社の査定や、鑑定人によって判断が分かれますが、
ほぼ各社の約款を比較して、共通だと思われる免責条項について、書いています。

 逆を言えば、このような状況に当てはまらない場合なら、火災保険の支払いの可能性があるということです。

劣化以外の全補償共通の例外

  • 保険契約者または被保険者の故意、重大な過失または法令違反によって生じた損害。
  • 被保険者または被保険者側に属する者の労働争議に伴う暴力行為または破壊 行為によって生じた損害。
  • 保険の対象である家財の置き忘れまたは紛失による損害。
  • 保険の対象である家財が保険証券記載の建物外および屋外設備・装置外にあ る間に生じた事故による損害。ただし、野積みの家財を保険の対象としてい る場合を除きます。
  • 運送業者等に託されている間に保険の対象に生じた損害。
  • 戦争、内乱その他これらに類似の事変または暴動による損害。
  • 火災等の事故の際における保険の対象の盗難による損害。
  • 地震・噴火またはこれらによる津波(以下「地震等」といいます。)を原因 とする損壊・埋没・流失による損害。
  • 地震等による火災(延焼・拡大を含みます。)損害または火元の発生原因を 問わず、地震等によって延焼・拡大した火災損害。
  • 核燃料物質に起因する事故による損害。
  • 保険の対象の欠陥。ただし、保険契約者、被保険者またはこれらの者に代わって保険の対象を管理する者が、相当の注意をもってしても発見し得なかった 欠陥を除きます。

経年劣化や腐食は火災保険の対象とはならない

支払い対象外となる劣化の定義

火災保険が劣化や消耗などが原因で保険の対象(建物・家財)が損傷しても、保険金が下りない理由が以下の規定です。

全補償共通の例外

    • 保険の対象の自然の消耗もしくは劣化または性質による変色、変質、さび、 かび、腐敗、腐食、浸食、ひび割れ、剥がれ、肌落ち、発酵もしくは自然発 熱の損害その他類似の損害。
    • ねずみ食い、虫食い等。
    • 保険の対象の平常の使用または管理において通常生じ得るすり傷、かき傷、 塗料の剥がれ落ち、ゆがみ、たわみ、へこみ、
    • その他外観上の損傷または汚損(落書きを含みます。)であって、保険の対象ごとに、その保険の対象が有する 機能の喪失または低下を伴わない損害。

高級カメラの破損は持ちだし家財の特約で落下などの損害に備えることができる

不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)のみの例外

    • 保険の対象に対する加工・修理等の作業(保険の対象が建物の場合は建築・増 改築等を含みます。)中における作業上の過失または技術の拙劣に起因する損害。
    • 保険の対象の電気的事故または機械的事故に起因する損害。
      ただし、これら の事故が不測かつ突発的な外来の事故の結果として発生した場合を除きます。
    • 風、雨、雪、雹ひょう 、砂塵じん その他これらに類するものの吹き込みまたはこれら のものの漏入に
      より生じた損害。
    • 移動電話(PHSを含みます)等の携帯式通信機器およびこれらの付属品 について生じた損害
    • ラップトップまたはノート型パソコン等の携帯式電子事務機器およびこれらの付属品について生じた損害

以上、火災保険補償の対象外となる免責事項について、約款から抜粋をしました。この辺りの記述は、普通火災保険約款から変わっていないものも多いですが、その他不測かつ突発的な事故の免責は最近になって各保険会社共通で記載されているものです。

この免責をしっかり理解できれば、火災保険の補償内容をよりわかりやすく理解できるようになります。

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